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20150912 地蔵沢右岸径路 [古道探索]




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西丹沢大股沢上流、地蔵平は林業の拠点である
地蔵平から東に進めば富士見林道、北に地蔵沢林道
登山道は信玄平、城ヶ尾峠を経て三ヶ瀬川、道志へと抜ける

地蔵沢林道は現在荒廃し歩く人は余程の物好き
一方、信玄平を経て城ヶ尾峠に至る道は現在も登山道として使われては居るが
その場所ゆえ、バリエーションの愛好家には好まれているものの、一般の登山者
の姿は少ない

この登山道の取付き部、地蔵平から地蔵沢を渡渉して信玄平に向けて北上する尾根に乗る斜面中腹に
一本の踏痕が地蔵沢上流部に向かっている
薄い踏痕を辿って行けば地蔵沢右岸をなだらかに登りながらやがて標高800M~750M位を
水平にトラバースする径路となる
しっかり積まれた石積みが古の径路である事の証である





この径路の存在を知ったのは2010年1月の事だった

当時、丹沢の登山道歩きにも飽きて来て
「何かもっと違う遊び方が有るんじゃないか」と言う思いでネットを徘徊中
緒先輩方のHPやブログに辿り着いた


そこで地蔵平の存在に興味を持ち、初めて足を運んだ時の出来事だった
地蔵平は静かなところだった、次に城ヶ尾峠に向かって地蔵沢を渡り斜面に取付いた
地形図を頼りに斜面を登るが地形図に記載されている登山道の踏痕は見えない
当時バリエーションの経験は殆どゼロ、不安な気持ちで「引き返そうかな」
なんて弱気になっていた時その踏痕が視界に入った
ようやく登山道を発見し、ホッとして踏痕を辿って行った

ちょっと変だぞと思ったのは暫く歩いての事、尾根道に出る気配が無いのだ
下を流れる沢筋と平行にずっと進んでいく
不安に駆られながら更に進んで行くと径路がぷっつりと途切れていた、斜面が抜けていた
しかしその5M先にはまだ道が続いている、どうしよう?
いや、もう無理・・・左の斜面に取付いて必死に登り登山道に辿り着いて
冷や汗を拭った・・・・

それがこの径路との出会いだ・・・


今の僕だったら間違いなくこのまま径路を辿って行っただろうが
その時の僕にはそのスキルは無いし、ましてや興味も無かった


それが今では・・・
あの径路の存在が喉元に刺さった小骨の如く、気になってしょうがないのだ
特に最近、先輩たちが踏跡を辿ってレポを発信する度に
その先は何処に続いているのだろう?・・・と思いを馳せてしまう

この径路には謎が多い
これだけ確りと作り込まれているにも関わらず、存在が資料にまったく見られない

世附の古い径路は、林班図や西丹沢頂稜河川土地名称図、旧版地形図などに
何らかの形で存在を示しているが、この径路だけは何処にも確認できない
まさに忘れ去られた径路である

果たしてこの径路の全貌は?何処に辿り着くのか?
興味は尽きない

単純に標高通りに辿って行けば赤沢の出合あたりに辿り着くのだろうが
その先が問題だ
そのまま赤沢右岸を経て城ヶ尾峠に向かうか、若しくは赤沢、バケモノ沢界尾根を
登って奧野歩道そして大滝峠と続くのか?

先ずは、径路の地蔵平側取付きからの調査開始である



最初に言っておくと、新しい発見は無かった
ま~、そんなものである、体力不足も響いた・・・

水晶橋から入って城ヶ尾峠、信玄平を降って750M付近に来たら
適当な斜面を真東に降る、50M程降ると薄っすらとした踏み跡と交差する
この踏跡こそが地蔵沢右岸径路である
一旦下流側に踏み跡を辿り取付き部を確認、当然お地蔵様に挨拶してから
再び地蔵沢右岸径路を辿る




〈水晶橋から登山道へのアプローチ〉
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〈水この景色が現れると地蔵平はもうすぐだ〉
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〈地蔵平は赤しその群生地と化していた〉
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〈看板の20M先が取付、渡渉地点〉
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径路痕もはっきりしているし、石積みも確り残っている
所々崩壊しているが、辿るのに支障が無い程度だが
地形図900M付近の水線マーク付近で斜面が崩壊し踏み跡が消える



〈渡渉地点の石積み〉
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〈石積みはシッカリしている〉
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〈薮化してしまった所も有る〉
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〈崩壊箇所〉
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〈地質が脆い所も有り注意が必要〉
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そのまま沢に下りている様にも思うがもう少し我慢して斜面をトラバースして行くと
赤沢、バケモノ沢出合の河岸段丘に辿り着く
出合は平坦で広々としていて良い雰囲気の場所だ
周辺の斜面や沢沿いに踏み跡がないか目を凝らして眺めるが
それらしい踏み跡は見つからない
バケモノ沢沿いに辿ってみたい所だが帰りを考えると辛い
結局赤沢沿いに少し歩いて周辺探索、そのまま沢沿いを行きたい所だが
今日は沢装備ではないし右岸に径路がないかも調べてみたい
1084に向かう尾根に乗って交差する径路がないか進むが
薮が煩わしくて閉口、そのまま帰路を急ぐ事となってしまった



〈バケモノ沢周辺は良い所だ〉
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〈これは道だろうと思う〉
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〈ふと見上げたら目に入った〉
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径路を歩いての感想だが
この径路はどう見てもサカセ歩道(道志歩道)の延長線上に有るとしか思えない
作りや雰囲気も然り、地蔵沢林道が出来る以前、赤沢を経て奥野歩道
そして道志方面に至る径路ではないだろうか?


〈径路部分〉
無題.jpg



〈多分、こんな感じじゃないかな?〉
無題3.jpg



次は赤沢周辺の調査が必要だな・・・



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コメント 4

イガイガ

そうなんだよねぇ…

この地蔵沢右岸の径路、
絶対に城ヶ尾峠まで続いていたと思うんだけど
赤沢の出合付近で忽然と消えちゃうんだよなぁ…

古道のあり方の常套としては尾根上に径はつけず、
沢沿い20~30mのところを水平に続くはずなんだけど、
赤沢の右岸にはそれらしい痕跡がみつからない。
ここはまだまだ課題の残るところですね。

帰りがけの駄賃?で、
カツラの古木が見られ、よかったですね(^^)
by イガイガ (2015-09-14 20:51) 

M

やっぱり赤沢出合付近で沢に降りちゃうんですかね
沢沿い、径路感一杯ですからね、あの周辺
そう考えると赤沢周辺にまた行かなくては・・

「絶対城ヶ尾峠まで続いていた」と思うのは同感です

カツラの古木も存在感凄いですね
周辺にオーラ出まくりでした
ラッキー!!です

by M (2015-09-15 18:42) 

はっぴー

私も「サカセ歩道(道志歩道)の延長線」に賛成です。
この径路のこと、ご存じの方いらっしゃらないかなぁ
by はっぴー (2015-09-18 23:30) 

M

はっぴー さん

密使、密偵

宜しくお願いします・・・?
by M (2015-09-20 19:42) 

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