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20110521山伏沢鉱山探索 [丹澤探索]

道志みちの良い所は、信号が少なく周りの景色が良い事
自分が免許を取ったばかりの30数年前
当時は未だ未舗装部分が多く交通量も極僅か
一般にはあまり知られていない「山間の小道」と言った風情であった
山中湖、富士山方面への国道20号線の裏道として何度も通った道だが
今では道幅も広くなり、橋も架け替えられ、全面舗装の快適な道路に変化している
この道路を使えば西丹沢の最奥地「山伏峠」入り口まで
我が家から2時間少々、少し遠いかな?と思っていたが
信号が少なく走りやすい分、予想以上に到着時間は早くなりそうだ
体の疲れも少ない、「これから又この道を利用する事が多くなりそうだな」
なんて考えていたら、もう「山伏トンネル」入口だ!!・・・6:00

相甲国境尾根は何度か歩いた事は有るがそこから派生する尾根は
未踏の部分が多い、今日の主目的は「山伏沢鉱山探索」だが
その前に「要所小屋ノ頭」手前の分岐から「水ノ木」方面へ下り
西ノ丸、東丸を経由し大棚見物をして行こう

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山伏峠の登山道入り口は旧道の進入口のすぐ脇に有る
旧道トンネルは入り口が塞がれていて侵入することは
出来ない、車一台がようやく通行出来そうな幅しか無い
そのトンネル口のすぐ脇から歩き始める

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朝一番、新緑が清々しい

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西群馬幹線258鉄塔を見上げると
空は快晴、どこまでも鉄塔が青空を突き上げる

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富士山はやや霞がちだが、
見えると見えないではこれからの意気込みが
違ってくる、ヨシ!!今日も一日頑張ろう、

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大棚ノ頭を巻越えて鉄塔をもう一つ潜り
要所小屋ノ頭に少し登り返すと水ノ木分岐
西ノ丸が控える尾根が進行方向だ
踏み跡も確りしているので迷うことはない

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此処で油断してはいけない
気持ちよく歩けるのは最初だけだ、
自分の背丈以上もある煤竹が覆いかぶさってくる
踏み跡は足元にしっかりあるので迷うことはないが
埃とダニにうんざりしてくる

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山伏歩道の分岐を過ぎ、少し登ると、西ノ丸

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薮は激しくなったり、薄くなったりで
行く手を阻む
薮が消えるとホッとして足取りも軽くなる
東丸を登り返し、やや下ったところで南の空間が開ける
一面の茅の原の向こう側に霞んだ山並み

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踏み跡はやがて仕事道に変わり
やや急な斜面、植林地の中を下降すると
東京営林局の小屋裏に降り立つ・・・未知尾根一本ゲット
現在は使われていない様だが見たところ現役で使えそうだ
電気のメーターも付いていて配線は着ているようだが
円盤は回転していない、
どこにでもある安全心得の看板
「さー、今日も安全第一で行こう」・・・8:00

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林道に降りると水ノ木沢のせせらぎが心地良い
水も澄んで白い川底が引き立って見える
大棚の入口まではあっという間だ
林道のカーブ地点に入口標識があり植林地の径路を降りる
径路の脇には大棚上流から発電用の水を通したであろう
コンクリート製の樋や、一時水を貯水する桶、そして
その水を一気に下に流す為の送水管、
その下には発電用水車がしっかりと姿を留めている
その原理は現代の発電処所と同じ、水の持つ位置エネルギーを
最大限利用した仕組みだ、

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大棚は豪快に二条の流れを滝壺に落としている
近くまで寄って行こうかと思ったがしぶきに濡れて
やたらと足元が滑る、今日はこの位にして、引き揚げよう

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林道に戻りきた道を引き返す
林道左手には先程の営林局の小屋が見える

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水道施設のようだ
先程の営林局の小屋へ、水を送っていたのだろう

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林道は荒れている所も無く歩き易い
明るく開けた所を通過すると「菰釣橋」
路傍には古い石積みが残る、土留めの上には
小屋でも有ったのだろうか??

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「樅ノ木橋」から見る沢はとても白く美しい沢相

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「樅ノ木橋」を過ぎ、金山沢に目を向けると
石積みの堰堤がある、
しかし何か印象が今まで見て来た物と違うな?
と違和感が有り、近くまで降りてみる、そうだ
イガイガさんがブログのコメントの中で
「この辺の石積みは石一個がデカイ」と言っていた
なるほどデカイ!!そして骨太な感じ

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程なく此の大岩で林道は終点・・9:18

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沢沿いを微かに残る踏み跡に沿って水に濡れぬ様歩くと
4M程の滑滝が行く手を塞ぐ、
此処で一休みして靴を履き替える、
いよいよ今日の最大の課題「山伏沢鉱山探索」が始まる
とは言っても鉱山跡は沢の源頭部の筈だ、暫くは
のんびりと滑歩きを楽しもう!!

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歩き始めると水量はやや少な目の様だが
程よい傾斜の滑が連続する

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ちょっと手こずりそうな滝には
トラロープも設置され初心者でも歩けそうだ

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「山伏沢」の滑は白と言うよりやや赤錆ていて茶色っぽい
此処に鉱山跡が有る所以か

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標高が1000Mを越える辺りから探索を開始する
今回の探索の手掛かりは2つだけ

1、山伏沢源頭部1100M付近
2、鉱山跡は2箇所有るらしい

以上の2点、後は自分の感性とやる気
どこまで当時の山師に迫れるかに掛かっている
手始めに本流から分岐の支沢に入り1050M付近まで探索する
大概の場合、坑口は河床から3-5M上に有るらしくその近辺を
目を皿のように眺めて行く、
後で後悔したくないのでついつい深入りして体力を消耗する
もとより、たった一回の探索で見つけられるものとは考えていないが
何よりも痕跡すら見つからないのは悔しい、
しかし、何回かこんな繰り返しをしてヘトヘトになった時
ふと前方の沢の分岐地点に人の匂いが漂っているのを感じ取った
そこは沢の分岐中程に広場のような場所があり
極、薄くではあるが径路痕が見られる、人の匂いがプンプン臭う場所だ
よし、この沢筋に間違いない!!そう自分の感性を信じて沢を遡る
沢を行ったり来たりで体力の消耗も激しい
少し休憩する為に足を止める、休んでいる間も
何か手掛かりは無いか周囲を見渡す、・・・おや?
少しばかりの岩の陰に窪みが有る、斜面を駆け上がり覗き込む
坑口と言うには小さ過ぎる、ほとんど埋まりかけた入口から中を覗き込むと
奥に続いている様だ、目標を半分だけ達成出来た、小さく・・ガッツポーズ

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坑道はもう一本在る筈である
「丹沢の鉱山跡を探る」の福谷豊治さんは
「コッチだよ!!」「コッチだよ!!」の山神様の声に
導かれたらしいが、
自分も何かに引きつけられるように歩き始める
斜面7-8Mほど上部に斜面のエグレが在る
まさか?と思いつつそこに登らない訳にはいかなかった
ポッカリと空いた坑道、
下から見ただけでは気が付かない、探している人だけが辿り着く

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坑内はヒンヤリとした空気で充満され、坑道が奥に伸びているのが
伺える、とても一人で入り込む勇気はない
内部の石は白く輝いているがコレが鉱石なのだろうか??

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鉱物の知識はないのでどんな石とは言えないが
緑がかったこの石も貴重な物のように見える・・

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ひょっとして?との思いも有り
暫くこの近辺を調査するが、特に発見も無い・・・世の中そんなに甘くない
目標達成の余韻に浸りながら安堵の溜息が出る
少し休憩し帰路に向かう
この支沢の河床は本流と違い特徴があり興味深い

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沢を詰めると倒木が多くなり煩わしい
水流が消えた所で休憩し靴を履き替える

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右岸斜面の傾斜が緩いところを選んで登る
薮が行く手を邪魔するが其れもつかの間
急斜面を一登りすれば稜線登山道に突き当たる・・13:11

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稜線に出てからの足取りは軽い
登山道を一気に戻れば山伏トンネル入口に到着・・13:40


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今回の「山伏沢鉱山探索」はヒントが少なく不安も多かったが
その分地図とにらめっこし、自分なりの当たりをつけて望んだ
結果、目標を達成でき満足できる探索となった
坑道周辺には径路跡を含め疑問な所もいくつか有るが
其れは今度のお楽しみにしたいと思います

最後に
今回「山伏沢鉱山探索」を実行するに当たり

「丹沢だより442」「丹沢の鉱山跡を探る17」福谷豊治氏
「イガイガの丹沢放浪記」西丹沢“金山沢”の鉱山跡を求めて
を参考にさせて頂きました、有難う御座いました

※ 雑誌、地図によっては「山伏沢」を「沖ビリ沢」として
    表記している物も有りますが
  当記事中、沢名については松田警察署三保駐在所管内図
  通称「西丹沢頂稜河川土地名称図」に倣い表記しました

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コメント 13

ardbeg

MASAHIKOさん、山伏沢だったんですか、
近くで遊んでいたようですね。
綺麗なナメが印象に残る流域ですね、
しばらく通おうかなと思ってます。
それにしてもアップが早すぎ。

by ardbeg (2011-05-23 22:44) 

MASAHIKO

ardbegさん
密かにサプライズ狙っていたんですが
ちょっとのタイムラグ・・・残念でした
世附の沢は滑が綺麗でのんびりとした沢歩きが楽しめますね
ちょっと遠くて通うのが大変ですが
道志みちは大好きな道です
これからもこの道を利用する機会が増えそうです!!
アップ・・早くしないと忘れちゃうんですよ・・・
最近、特に物忘れが多くて、

by MASAHIKO (2011-05-24 19:03) 

shiro

あれれ!
僕らと同じ山域を歩いていたとは・・・
微妙にかぶってるし・・・
一人で面白そうな事してるし・・・
沖ビリ沢歩いてみたかったし・・・
 
西丸、東丸の尾根。軽~く流しているけど、けっこうヤブ漕ぎとRFが大変だった記憶があるけどなァ・・・
 
山伏峠6時って・・・
いったい何時に起きればいいんだか・・・。
by shiro (2011-05-24 20:41) 

MASAHIKO

shiroさん
いやー、残念でした、どこかで会えると思っていたんですが
西丸、東丸の尾根、全然軽くなかったです、薮は疲れます
一人で面白そうな事してるし・・・確かに面白いんですが、疲れます!!
沖ビリ沢歩いてみたかったし・・・滑はいいですよ!!
山伏沢&その周辺は興味が尽きない所でした(自分的には)
再調査近いうちに行きます、面白い発見がいっぱい
有るかも知れません!!



by MASAHIKO (2011-05-25 19:48) 

shiro

ハイ!ハイ!(挙手)
宝探しpart2の決行時には是非!!
丹沢の奥深く眠る宝石。是非オイラにもおすそ分けを。
沖ビリ沢は『歩かなきゃいけないリスト』に入っているんです。
 
でも・・・
山伏峠6時にはめまいが・・・
いったい何時に起きればいいんだか・・・。
by shiro (2011-05-25 21:05) 

TI-AEK32

おつかれさまでした~

ダニがすごいって聞いてたけど3匹しかいないじゃまいか、
と思ってましたが、なんとMSHK師が先陣を切って下さって
ましたか!(はぁと)

鉱山の写真、見事です~
○福さんの記録を見て↓
http://tanzawawosaguru.blogspot.com/2009_10_23_archive.html
全然鉱山っぽくないじゃないか!?と思ってましたが、
MSHK師の写真を拝見すると、なるほど「金山澤鉱山」
掘ってみる価値がオオアリクイだったわけですね。
しかも○福さんの資料によると↓
http://tanzawawosaguru.blogspot.com/2011_02_19_archive.html
「金山澤鉱山」の試掘は震災前のM44~T6年と、
丹沢地区で最も古いじゃありませんか!

西沢では沢床にいくらでも転がっている「御影石」(shiro師鑑定)の
巨石を緻密に加工した石積みを目撃しましたが、
金山沢には銀・銅の原石を使った石積みがある!?
part2これは見逃せない!!
by TI-AEK32 (2011-05-26 01:18) 

M-K

MASAHIKOさん

ご無沙汰です~。

 「シ~ン・・」

そんな~!。(~~);

目の毒を拝見いたしました。 素晴らしい! ありがとうございました。 

我ら?(実はM-Kだけ)のグレードアップを
図るには絶好のチャンスではないかと思った次第です。

「俺の後について来い!」と言っていただければ最高!ですが・・。
鬼退治のお供ではありませんが、カメを一匹加えていただければ光栄です。
by M-K (2011-05-26 10:42) 

MASAHIKO

SHIROさん
山伏沢を散策するだけなら早起きしなくてもOKですよ!!
いつも欲張って色んな所に行こうと思っているのでついつい
早起きしてしまいます、

TI-AEK32 さん、次は洞窟探検行きましょうよ
流行りの言葉で言うと「行ってみる価値オオアリクイ」です!!
・・・「木堰堤」ですか??こっちも「探してみる価値オオアリクイ」ですね

MーKさん、
目に毒でしたか?
何時でもご案内OKですよ!!もったいぶらずに皆で行きましょう!
色々と気になる事が多かったので今度の週末に又行こうかな?
と思っていたんですが、天気も良くないようですし
いい日和の時に、じっくりと計画をしましょう
思わぬ展開で楽しいですね・・=*^-^*=にこっ♪
・・・でも!!行った人だけの「秘密のアッコちゃん」ですね!!

by MASAHIKO (2011-05-26 20:09) 

イガイガ

お疲れさまでした。

2本目の坑道探し、そのうちと思っていましたが、
延び延びにしているうちにやられちゃいましたね。

写真を見る限り、すぐ近くを探しているはずなんですが
MASAHIKOさんの執念勝ちかな。

http://igaiga-50arashi.at.webry.info/200909/article_4.html
by イガイガ (2011-05-26 22:19) 

M-K

HASAHIKOさん

ありがとうございます!(^^)v是非連れて行って下さい。お願いいたします。

何ともいえない、独特の色合いの川床、坑道内や緑色した岩石の色。 これは魅力です。恐くて穴に入れない・・?。写真は? 望遠かな・・。

私の記録でNO234の金山沢の坑道内の写真があります。
キラキラ光って綺麗でした。これはまた違った綺麗・・。

ところでお願いがあります。6月4~5日は以前からの予約で身内の行事があるのです。この日を外して下さるよう伏してお願いいたします・・。(__);

もしよろしければ、いつものコラボ慣れしている人達の手が3~4名、もしくは5~6名手が上がるかも知れません。

MASAHIKOさん主導でよろしくお願いいたします。(時間がさけず、ご負担であれば私が代行させて貰ってもいいです)
「秘密のアッコちゃん」もちろん了解です!
by M-K (2011-05-27 01:52) 

はっぴー

MASAHIKOさん

サプライズは残念でしたが
坑道探索の成果があって、良かったですね!

山伏沢は昨年 歩きましたが、
不勉強で坑道のことは まったく意識にありませんでした。

もし、日程が合えば、コラボに参加させていただき、
今度はぜひ坑道内を見学してみたいものです。
by はっぴー (2011-05-27 20:28) 

MASAHIKO

はっぴーさん
ぜひ、坑道内先陣を切って下さい
はっぴーさんが不勉強だなんて?
一番の勉強家じゃないですか!!
・・・お尻の・・ぷっ・・はご愛嬌ですね
イガイガさんも随分意地悪ですね・・・m(*- -*)mス・スイマセーン

by MASAHIKO (2011-05-27 21:06) 

はっぴー

誤解を解いておかなくちゃ・・・

一番の勉強家は私の知る限りではイガイガさんですね。
とても足元にも及びませんです。

それから、白ザレの滑りそうなとこはイガイガさんが先に行って、
16文キック(ってどのくらい?)で足跡を付けてくれました~
やさしい方です。

坑道内の先陣は、やっぱりM-Kさんでしょう!
by はっぴー (2011-05-28 09:28) 

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