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20110910富士登山・・・須走口編 [富士登山]

8月に予定していた富士登山の計画は、天候不順で取り止めにした、
計画の中止を一番残念がったのは長男坊で、「一昨年のリベンジ」が果たせず
意気消沈の毎日だ・・・

一昨年・・・・部活の試合予定が有る長女を除く、次女、長男、神さん、の4人で
富士宮口5合目(2400M)から出発し7合目程まで登った所で高山病と強風により
戦意喪失、3人はそのまま下山し親父だけが登頂・・・

そんな経験が悔しいらしく、今回リベンジを果たすべくその機会を楽しみにしていたのだ
しかし・・
このままでは息子も可哀想だな、と、少しだけの親心
都合が付けば?と思っていたが今度の土日は息子のサッカーの予定も入っていない
自分としては、この時期を外すとまた一年間待たなければならない
丹沢の貴婦人 「相模上臈杜鵑草」探索・・・を考えていたのだが、

ここは息子の気持ちを尊重しよう、親子でのんびり富士登山が出来るのも
今のうちだけかもしれないしね!!

9月に入り8月ほどの混雑は無いだろう、登山口へのマイカー規制も終わっている
山小屋はほとんど営業終了している様だが、どうせ日帰り登山
ちょっと多めに水を持って行けば山小屋のお世話になる事も無いだろう
・・・・・さー息子よ・・いざ行かん!!目指せ富士山頂剣が峰3776M・・・

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息子の脚力と、下山時間を計算し、少し余裕をプラスする
須走口からの所要時間、登り5.5H、下り3H いずれも休憩時間を含まず
休憩時間2H、プラスアルファー2H  行動時間合計12.5H・・・13H
と言うことは、午後2時頃下山予定とすると逆算して・・・
AM1:00出発にしよう!!
PM7:30自宅を出発、息子を後部座席で寝かせる、少しでも睡眠を多く取らせ
体力を温存させる
父ちゃんは?・・3時間位仮眠出来れば良いかな?ほとんど徹夜の通しだね!!

東名、R246を快調に走行して、PM9:30須走口五合目に到着
外は大分冷えていて、数え切れない位の星星が煌めいている、
時々現れる流れ星についつい見とれてしまうが早く仮眠を取らなければならない
350ミリリットルの缶ビールを2本、ぐぐっとやって眠りに付く

AM1:00 息子を起こして準備を整える
気温はかなり低めだが歩き出せば寒さは感じないだろう、息子は眠そうに眼をこすり
震えながら準備をしている、寝起きには寒さがとても堪えるのだろう、

AM1:30 ちょっと予定より遅れたが寒さの中を歩き出す
「あの星の集まりが昴だよ!!」などと教えても「何それ、わかんなーい」とは
少しがっかりだぜィ!!・・そうか枕草子を習うのは中学校だったっけ?
昼間なら営業しているであろう売店も今はひっそりとしていて静寂の中だ
通行止めの看板を通り抜けしばらく歩くと古御岳神社
社が閉じているが、ここで今回の登山の無事を祈願する
神社右側から登山道は奥へ続いている、先は真っ暗、ヘッドライトの明かりが
行く手を照らすだけだ、

ここからしばらくは樹林帯の中の登りが続く、傾斜はきつくは無いが
10分も歩くと汗ばんでくる、息子は?心持足取りが重そうで目が覚めきっていない
最初はゆっくりと、呼吸を大きく、とアドバイスしながら登っていく

すぐに樹林帯を抜け潅木帯に入る、空も開け星の数が一段と増す
空の闇も一段と深くなり星たちがすぐそこに、手掴み出来そうな位近くに感じる
時折広がる下界の夜景に足を止め休憩しながらゆっくりと、ゆっくりと登って行く



息子の様子がどうもおかしい、眠そうな眼、眠たいだけではないらしい
高山病の症状が若干出始めている・・・「調子どうだ」「うん、大丈夫」
こんな会話を何回か交わしながら

5:20 太陽館到着、何とか7合目まで辿り着いた
幸い、頭痛、吐き気は無いようだ、
この辺が限界かな?そう思っていたが本人はまだ登る気力と体力は有るらしい
周囲を見渡すと東の空が大分明るくなっている、日の出ももうすぐだろう
ここで日の出を見物して少し休憩を取ろう、体調が悪くなれば下山するしかないな、
そう思いながら日の出を待つ
日の出まで20分いや30分程待っただろうか?
東の空、丹沢は大山の、やや左側から太陽が昇ってくる、しかし低く垂れた雲が遮り
太陽の姿を見るにはもう少し時間が掛かりそうだ

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山中湖から籠坂峠一帯にかかっていた雲がだんだんと消えていき
太陽が昇るにつれ丹沢山塊がその全貌を現し、眼下に広がっていく
隣の息子の顔が赤く染まる、後ろを振り向くと富士の山も真っ赤に色付く、
まさに「赤富士」である

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と、そこで異変が・・・
隣に座っていた息子が急に「あれ?お父さん、急に目が覚めた!!覚醒した!!」
何?「覚醒した!!」だー?・・はぁー?酸欠で頭がおかしくなったかー?
とも思ったが、顔を見るとさっきまでの眠たそうな顔は何処へやら、
顔つきも言葉もしっかりとしているではないか、
「どうしちゃったの?お前」と聞くと「なんか急に覚醒した!!」・・・らしい、
よし!!それなら先へ進もうもう一度聞くぞ「大丈夫だな!!」
・・・・「良くわかんない!!」・・・・「あほか!!」

それからの息子の足取りはしっかりとし、ペースも上がってきた
さっきまでは「この先どうなる事か」と心配していたのが嘘の様である
明るくなって周りの景色が視界に広がり気分が楽になったのか?理由は分からない
しかし、一歩一歩山頂に近づく確かな足取りでは有る、

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山頂方向を見上げると白い鳥居が登山道に沿って何本か立っている
その鳥居一つ一つを次の目標に登る、目標があるので頑張る気力が沸いてくる
さすがに最後の鳥居をくぐる頃にはかなり足に来ているが何とか歩いていく

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しかし・・まだこいつは知らない!!この先に最後の試練が待っている事を
・・・・息子よごめん!!

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最後の鳥居をくぐると、数メートルで山頂である、久須志神社到着
しかし、ここは最高峰ではない、富士山に登る人の中にはここまで登って降りてしまう
そんな人も多く居るらしい、なんて勿体無いんだ!!
そう、最後の試練はここから始まる
隣で安堵する息子よ!!「非常に残念な知らせだが、ここは頂上ではない、あそこが最高峰だ、あそこまで行くぞ!!」と剣が峰を指差す

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唖然とする息子、まさに目が点状態だ、今にも崩れ落ちそうになるが「サー行くか!!」との親父の明るく冷たい言葉に、仕方なくトボトボと歩き出す、
大日岳から銀明水、銀明水横のベンチで休憩しここにザックをデポ、少しでも負担を軽く
奥宮に参拝し剣が峰の手前の急坂、馬の背に挑む・・・・もう限界だな・・しかし
見掛けに寄らず意外に根性あるな、こいつ

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AM9:20  ヤッター、ついにここまで来たじゃーないか!!とハイタッチ、
おーっと、手が胸までしか上がってないのは仕方ないか・・・

頑張った、よくやったな!!
だが、安全に下山してこそ楽しい登山、試練は続く、

馬の背を恐る恐る降り、ザックをデポした銀明水横のベンチで休憩、
息子は横になって眠り込む、かなり無理させたな、30分程休憩し下山開始

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こんな所にも丁寧な仕事・・・おまけ

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下山コースは所々ザレて滑りやすい所は有るが概ね良好、
富士宮ルートと違い登りと降りで登山道が分かれていて歩き易い、

砂走りは快適だ、勢い良く駆け降りる
土埃が舞い上がり少々難儀する、口の中がかなり埃っぽい
快調に降ったのはここ迄、親指の腹の部分にマメが出来ている様で痛みが出て来た
それも両足、・・・息子が頑張っているのに痛いなんて口に出せる筈が無い・・

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痛むむ両足を庇いながらも何とか樹林帯まで来た
樹林帯では木の根っこや、土のえぐれに注意しながら慎重に歩く

古御岳神社に着くと残りはほんの少し、無事の帰還の御礼をして後にする
出発の時は閉ざされていた売店も店を広げ観光客で賑わっている
しかし値段を見ると、とても立ち寄って行こうと言う気は起きない
一目散に駐車場の車を目指す、

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13:00  
五合目と言えどもこの時期天気の良い日は気温もやや高め、日差しも強い
車に辿り着き着替えを済ませ、下山した時の為にクーラーボックスでキンキンに
冷やしておいた・・ノンアルコールビールテイスト飲料・・とコーラで乾杯
お互い一気飲み、疲れを癒す、時間も大体予定通り、
お互い良くやったな!! と称え合いながら帰りを急ぐ
車が「馬返し」を通過する頃には隣の息子は暴睡状態、
しょうがない、ここからは一人で運転頑張ろう!!親父も結構眠いのだよ、

帰りの運転はホント眠くて辛かった、
しかし、今日はやっぱり息子の頑張りを称えてやりたい!!
知らないうちに、ちょっとずつ、ちょっとずつ成長しているのだな、と
隣でよだれを垂らして寝ているこいつの顔を見て、強くそう思うのである、
お互、良い経験をした一日だったな!!


さすがにタフな親父も家に帰って焼酎2杯でコロッと逝ってしまいました!!とさ

最後に・・・

丹沢の山から望む富士の山はとても大きく感じる・・何故なんだろう??いつも不思議に感じていた
しかし、それは当然の事だった!!
地図で比較すると富士の裾野の大きさを丹沢に置き換えると
世附から宮ケ瀬までのほぼ丹沢山塊全てがすっぽりと収まってしまう、それほどのスケール
なんとも大きい訳だ、改めて富士山の凄さを感じた次第だ、
翻り、富士から望む丹沢は複雑に尾根や谷が入り組んでいる
こんなフィールドで遊び回れる喜びを再認識した1日でもあった・・・

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コメント 2

はっぴー

トップの写真を始め、赤富士も、他の風景写真も
素晴らしいですね。
富士山は一度登ればいいかなと思っていましたが、
こういう写真を見ると、もう一度行こうかなと・・・気持ちだけですが(笑)

息子さん、かわいいですね。
そりゃぁ意外にじゃなく、根性ありますよ。
お父さんがMASAHIKOさんですからね(笑)
この登頂で、また一回り成長されたのでは!?
あっ、MASAHIKOさんのルポも、目を見張るような成長ぶりですよ。

最後の写真、いただき~! m(_ _)m

by はっぴー (2011-09-14 23:37) 

MASAHIKO

はっぴー さん
いつも励ましありがとう御座います
富士登山、いつも、もうイイかな?と思いますが
ナゼか、山頂からの展望、登るたびに違う姿を見せてくれます
その思いがあるので、今年も登ろう!!と意欲が湧きます
息子共々、お互いに成長の見守って下さい!!
・・・おやじは衰退の一途を辿っていますが・・・
by MASAHIKO (2011-09-15 19:16) 

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