20161230 悪沢径路から世附山神峠

【　国土地理院　明治24年発行　山伏峠より抜粋　】





不老山の西側に位置する悪沢峠

この峠が何故悪沢峠と呼ばれているのか？
柳島から古道を辿りこの峠を越えて悪沢へと下る
古道は悪沢の左岸から右岸へと移りながら山神沢へと続き
世附山神峠を越えて水ノ木へ・・・

その様に考えると合点が行く
そう、悪沢径路に続く峠・・・である

今年最後の探索は悪沢径路だ！！




浅瀬P【　6：50　】－芦沢橋【　7：40　】－取水口【　9：150　】
－山神峠【　10：30　】－水ノ木【　11：14　】－広河原【　12：08　】
－浅瀬P【　13：12　】





浅瀬から水ノ木木に向かい芦沢橋を渡ると古道が林道を横切る
・・・とは言っても古道の踏み跡は無く地図上、破線だけの話

柳島から悪沢峠を越えて下ってきた古道は林道を横切り
世附川を渡渉して悪沢から山神沢、山神峠を越えて水ノ木へ至っている
さらにその先は道志、山中湖方面まで古道の踏み跡は続いている
・・・筈である

今回は古道の芦沢橋から山神峠までの踏み跡を辿ります　





【　国土地理院　明治24年発行　山伏峠より抜粋　】










芦沢橋を渡った先の左手、尾根状の小高い所に
一体の祠が残されています、一般には「白旗社」として呼ばれている
様ですが
祠のすぐ脇に古道の踏み跡が残っています
踏み跡はここから下り、世附川を渡渉して対岸に渡っています
再び踏み跡を追って行くと先ほど対岸で出会った祠と全く同じ祠と
出会います
こちらの祠は「天摸魔王社」と言われている様ですが
全く同じ祠なのに呼び名が違うのは一体どの様な訳なのでしょうか
疑問です
どちらも名前らしきものが彫られていますがはっきりと読めません
「新山小奉行」でしょうか？
「新編相模国風土記稿」に多少記述が有るようですが
詳しく調べていないので不明です
M氏の良い所はあまり深く立ち入らない所、浅く広くが
モットーです

とにかく言える事は二つの同じ祠が山神峠に続く径路沿いに
並んでいると言う事です



【　白旗社　】




　　　　【　宝暦三年　】は癸酉（みずのととり）西暦1753年



【　対岸に渡ります　】




【　天摸魔王社　】









祠を後にして薄い踏み跡を辿ると段々と踏み跡がはっきりと
してきます
尾根を回り込む所ではそれが顕著になり、所々石積で補強されている
所も見られるのは古道の証です


【　植林内の踏み痕　】




【　尾根にはくっきりと　】




【　トラバースします　】




【　渡渉場面で踏み跡は消えそうですが　】




【　辛うじて残っています　】




【　径路につきものと言えば　】







【　石積が残っています　】




【　かなり高い所をトラバースしています　】








【　結構際どいですね　】




【　もともとの道はかなり広い様です　】







【　沢に降ります　】




水平に付けられた古道の踏み跡は一旦沢に降り立ち、消えます
悪沢を遡り崩壊斜面を左に眺めながら小さなゴルジュを抜けると
沢幅は広がり明るくなります
右岸高みに再び踏み跡を見つけ辿ると炭焼き窯の痕なども
残っていて径路感が漂います


【　右岸崩壊地　】



【　チョットしたゴルジュ　】




【　ゴルジュの先　】




【　右岸径路を発見、戻って確認　】




【　崩壊地で径路は消えた　】




【　径路を上流に辿ると此処にも窯　】





熊沢、山神沢分岐までの間は険しい所もなく両岸から流れ落ちる
滝などを眺めながらのんびりと歩けます










【　春はまだ先ですね　】




山神悪沢取水口で社会見学した後、山神沢を遡行します
踏み跡などは既にありません
両岸険しく見たところ上部にも径路の様子は見られませんが
ふと右岸の高みに石積を見つけ、もしや？と思いましたが
これは送水管でした、鉄砲沢の送水管とより一回り細めの管
でしょうか、さらに上流には崩壊した取水堰が残っていました



【　二俣・取水口　】




【　山中での社会科見学です　】



















【　流れてますね～　】




【　山神沢に入り　】




【　径路か？・・・と思いきや　】







【　送水管でした　】






【　取水堰の残骸　】




【　さらに上流に進みます　】









上流部は御多分に漏れず倒木帯です
苦労して切り抜ければいよいよ峠への詰めですが
そんなに急な斜面ではありません
踏み痕の様な筋も見られますが古道の痕かはわかりません
昔は人馬が行き交う峠道も面影は感じられる程度です


【　上流の径路沿いにも窯　】




【　ウンザリな倒木帯　】




【　いよいよ峠へ　】




【　その前に、気になるブーメランです　】




【　踏み跡も有る様な？無い様な？　】




【　祠が見えてきました　】





【　久しぶりの再会ですが・・・痛々しいです　】













【　水ノ木への古道は厳しいですね・・・戻りました　】




峠から水ノ木側の古道も辿ろうとしましたが
崩壊が激しそうなので今回は止めました
ここから先は一山越えて水ノ木に下り、山神にお参りしてから
林道を足早に帰りました



【　山に貝？ですか一杯転がってました　】




【　奇麗な富士山です　】




【　水ノ木沢　】




【　山神にお参りして戻ります　】




【　帰り道で・・・殆んど埋まってしまいました　】




【　以前イガイガさんとミックスさんで見つけた穴・・崩れてます　】




【　林道の補修状況です　】








【　工事中は下側に迂回させられるそうです・・・川渡れって！！　】





【　全面復旧にはまだまだ時間がかかりそうです　】







家き帰って「丹沢・桂秋山域の山の神々-P97」を読み返した所
面白い事を発見しました

佐藤さんは山神沢山神の台座に「新山小奉行」の文字が読めた
と記述していますが、この文字は芦沢橋付近の二体の祠に
彫られている文字と同じ文字です
きっと同時代の官営の山神なのでしょうね



【　「新山小奉行」の文字　】






【　今日のコース　】

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by Neoorhymn (2019-10-12 01:55)